KK's Room

    私の、仕事・趣味・興味・思考を記録しておく場所にしています。2010年2月27日から開設しました。初回だけ、「0:初めまして」シリーズをお読いただけるとありがたいです。

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    他国・他産業からもっと謙虚に学ぼう

    2010.03.20

    category : 2.2 日本の技術競争力

    日本の企業は(あくまでも)一般的に、欧米企業の実績や事例をありがたがる傾向が強い。その裏には、技術自体を素直な目線で見て判断しているのではなく、xx会社は、自分たちより優れているはず、xx国の技術は未熟だという思い込みが背景にあるのではという気がしてならない。いわば、技術にレッテルを張ってしまっているのである。張った時点で技術の本質を把握することは無理である。

     

    いいレッテルを張ってしまうと必要以上に優れているとう思い込みで見てしまうし、悪いレッテルを張ってしまうと、興味がない、聞かない、ということでチャンスを失うことになる。悪いレッテル張りの例を以下の3つのパターンで示してみよう。



    1)他産業は違うといって参考にしない=>想像力・向上力の欠如


    よく言われるのが、航空・宇宙、自動車、電機・精密の3産業は、開発期間、単価、生産数の観点から明確に異なる産業である。例えば、航空・宇宙産業は、新しい技術が最初に適用される産業だ。数年後に、自動車や電機・精密産業に展開されていくという構図は、よく知られている。

    ところが、自動車や電機・精密産業の企業に訪問して、今後のIT動向として、航空・宇宙産業での最新テーマについて説明しても、他産業だから、開発サイクルが違うからなどの理由で、参考にならないと断言されるか、興味ないという顔をされる場合が、しばしばある。

    航空・宇宙産業を見ることで、自らの産業への波及効果を予測したり、汎用的な方法論や考え方を学べるというのに、そういう機会を自らお断りするというのは、技術者として、もったいない態度だと思ってしまうのだ。悲しくなってしまう。

    むしろ他産業のことを知る機会が少ないから、喜んで聴きたいという、積極性を示していただけるケースは意外とまれである。前者と後者では、技術吸収力に雲泥の差が付いているであろうことは、容易に想像できるのだ。



    2)落ち目の会社の技術をバカにする=>売上で技術レベルを計る愚


    具体的に言おう。以前は、米国の自動車会社ビッグ3の技術動向は注目の的であった。ところが、4-5年前から売り上げが急落し、ご存じのような状況になってきた。


    そのようなある日、FORDでの取り組み例がたいへん先進的であったのでそれを紹介しようとしたら、こんな時期にFORDやGMの名前は出さない方がいいよ、と言われた。内容を紹介する前に!中身が先進的でないと言われるのであればわかるが、売上が落ち目の会社だから興味がないという言われ方をしてしまったので、この技術者は、何に興味を持っているのか?と、心底驚いてしまった。

    紹介するには、私なりに少しは勉強したり調査したりしているから、その例は自動車産業ではほとんど行われていないことも知っているし、FORDの研究者も業界では著名な人なのだ。実際、ビッグ3のIT技術はやはり優れており、学べるところはたくさんある。そういうチャンスをやはり、逃しているのは誠に残念。

    技術者は、往々にして、「技術が優秀でも製品が売れるとは限らない」ということを頭でわかっていても、実際のところ、“自社については”「技術が優秀なのに売れないのはおかしい」と思っていることろがあるような気がする。その証拠に、“他社については”「製品が売れない会社の技術はいいはずがない」という無意識な思い込みにつながっているのではないだろうか。

    韓国企業のやり方を学ぼうとしないことも、このケースの派生である。国の文化や企業文化の違いだからと一蹴されてしまう場合もある。文化の違いは、経営判断のスピードやマーケットの違いなので、その点ももちろん学ぶべきであろうけれども、仮にそこが無理であっても、いい技術は自分で見聞して判断できるはずだ。 要素技術はけっこう買ってきたり、人材リクルーティングでカバーしているから、その点を指摘して、オリジナル技術力がないと指摘する人もいるが、全体を見てシステムとしての技術を理解し構築する力は、日本企業よりも明らかに優れているようだ。シニアマネージャ層の技術眼力が違うように見えてしかたがない。



    3)他社がやっていないと興味を示さない=>チャンスの放棄

    他社がやっていないことを、実績がない技術だと、ネガティブにしか判断されない場合も多い。リスクとチャンスは、表裏一体。ハイリスク・ハイリターンの原則はどこでも当てはまる。


    昨今、全く斬新な技術は出てきにくい。最新といっても一部で、過去の方法論を別分野に適用したり、アイデアはすでに存在して、実行を待っているだけというケースも多いのだ。そういうケースであっても、他社の実績がないと上司を説得できないという言葉を聞くにつけ、ああ、変化を拒んでいる会社なのだと実感してしまう。

    考えるまでもないのだが、他社がすでに成果を上げていたら、要は、先を越されたということではないのか? それで会社は生きていけるのか?真に不思議な光景なのである。

     

    さて、まずはどの反面教師から学びますか?

     

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                                 今日の1枚
    2010/3/21
    影が面白い。写真を撮るようになって、影に目がいくようになった。冬場は日が低いから、いい影ができやすいのだ。
    冬の被写体はどこにでもある。
      -  Ricoh GX100 -
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    影-1-2010.3.16:GX100-11967 

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                                 今日の1曲
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    3つのジムノペディ/サティピアノ作品集3つのジムノペディ/サティピアノ作品集
    (1993/04/24)
    ロジェ(パスカル)

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    サティといえば、ジムノぺディ。しかも、No.1はとても有名な曲だから、誰でも一度は聞いていると思う。ゆったりとしたピアノのメロディ・ラインは、白昼夢を見るためのBGMのよう。このジャケットは、カンディンスキィにちがいない。

     

     

     

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    tags : 技術向上力 GX100 

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    2番でいいという目標はあり得ない

    2010.03.12

    category : 2.2 日本の技術競争力

    古いテーマで恐縮。「次世代スーパーコンピュータ開発予算」の事業仕切りで、”2位じゃだめなんですか”と言われ、一時予算凍結になった件、各方面からの意見がすでにたくさんあるから、いまさら私ごときが、言うのもなんであるが、気になっていた論点を吐き出してみよう。

    このやり取りでは、攻める側も守る側も、本質的な論点を外しているように見えるのだ。

    1.”1位になることが目標”が間違い
    1位を目指すことは、技術的な目標でありえても、1位でなくなったとたんに、その価値が下がるわけではない。本質的には、最速のスーパーコンピュータなしでは、遂行不可能な計算科学という分野があることを、世の中に示すべきではなかったか。世の中に役に立つ最先端技術なのである。

    守る側のこの回答により、順位が最重要の目標であるかのような印象を与えてしまい、”2位じゃだめなんですか”との攻め言葉を生んでしまった。これによって論点がずれることになった。

    その後、1位になれる期間が数カ月しかないから意味がない、予算削れという、おかしな反論を多数招くことにもなってしまった。議論が益々違う方向に発散していったのは、最初のこの躓きが大きい。


    2.”2位じゃだめなんですか”の筋違い
    ディベート技術としては、相手の”1位になることが目標”の逆手を取った、ヒットに違いない。論理はよしだが、実際に考えると筋違いの反論だ。

    競争では、1番になりたいと思って努力して、その結果として2番になることはあるかもしれないが、最初から2番でいいと思って戦う人はいない。そういう戦い方を仮にしたとしたら、結果として2番にも3番さえもなれないだろう。

    無駄な予算をあぶり出したいという気持ちは分かるが、2位を目標にすれば、予算が下げられるというのは、技術競争のことを理解しない筋違いの議論だ。ディベートで勝つ為だけの無意味な反論だと私は思う。こういう勝ち負けのためだけの議論は嫌いだ。

    だから、攻めるも守るも、本質的な議論をせず、両方失点しているというのが私の見立て。

    もう一つの大事な効用を示そう。「最先端技術」はすそ野が広い。山が高ければ、すそ野が広いのと同じだ。最先端技術は、コア技術だけを研究開発すればいいのではなく、コア技術を支える、基礎技術、様々な周辺技術を必要とする。すそ野なしで、頂上はできない。

    アポロ・プロジェクトやスペースシャトルのプロジェクトなどで、新しい技術が開発され広範に民生適用されているのは、有名な話。コンピュータも、今のPCで使われている技術も元はといえば、10年以上前のスーパーコンピュータ技術をベースとしている。

    技術が進むには、常に先端に引っ張り上げようとするテンションを必要だ。目標として性能1位とか、発見1位を掲げるのは、健全なテンションになるのだ。議論の勝ち負けではなく、予算の必要性をもっと本質的に議論して欲しい。

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                                 今日の1枚
    2010/3/12
    小京都と呼ばれる昔風情の町が全国にはたくさんある。夕方薄暗くなってそろそろ帰ろうかとのんびり歩いていたら、
    あちこちの民家の玄関に明かりが付きだした。 - Ricoh GX100 -
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    建-1-2010.3.12:GX100-12429 

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                                 お薦めの一曲
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    Greatest HitsGreatest Hits
    (1990/08/20)
    The Nitty Gritty Dirt Band

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    「Mr. Bojangles」- Nitty Gritty Dart Band -
    中学の頃、John Denverの大ファンだった。彼のオリジナル曲でない中で、「Mr. Bojangles」という曲と歌詞がとても印象に残った。Jerry Jeff Walkerが作った有名な曲とわかり、たどり着いたのが、Nitty Gritty Dart Bandが歌った奴。これが一番いい。物悲しいけれど明るく生きる老人、Mr. Bojanglesのことを歌っている。詳しくは;
    解説 http://www.ozsons.com/mrbojangles2.htm
    歌詞 http://www.softark.net/articles/m-0106.html

    tags : 技術競争 スーパーコンピュータ GX100 

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    プロフィール

    シママロ

    Author:シママロ
    名前 K.K.
    生年 1959年早生まれ
    職業 製造業向けIT産業
    業務 技術マーケティング・営業支援
    専門 Simulation, 最適設計支援,「つなぐ技術」の啓蒙
    趣味 写真, カメラ, シマリス, 科学読物, 一部の絵画, JAZZ, iPhone
    興味 ITの持続的社会への貢献, 情報価値と抽出, 芸術美&自然美&機能美
    出身 青森県八戸市
    住所 神奈川県厚木市

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