KK's Room

    私の、仕事・趣味・興味・思考を記録しておく場所にしています。2010年2月27日から開設しました。初回だけ、「0:初めまして」シリーズをお読いただけるとありがたいです。

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    便利だが誤解を招く言葉「最適化」

    2010.03.06

    category : 2.1 シミュレーションと最適化

    「最適化」という言葉は分野を問わずよく使われるので、あたかも世の中の人々が同じ意味を共有しているかの錯覚に陥る。この機能は「最適化」されています、と言われればなんだか、分かったような気になって安心してしまうとことがあるが、実はたいへん危ない曖昧言葉であるのだ。例を挙げよう。

    部屋は最適な温度に保たれています。=>誰にとっての?お風呂の前と後では?

    最適な製品を選ぶ=>値段?性能?スタイル?

    最適な環境のマンション=>騒音?広さ?駅からの時間?

    なぜ曖昧か、理由はもう明らかだ。
    “最も適する“の適するというのは、条件が定義されて初めて成り立つことばである。条件が明確に共有されている場合は誤解なく使えるが、条件の解釈が人によって異なったり、定義なしで使うのは大きな誤解のもとになる。

    “最適解”は、目的関数を与えられた条件のもとで最大化あるいは最小化する設計変数の組み合わせを表す数学用語である。したがって、条件が変わると、最適解も変わるのは当然である。また、最大と最小の両方の意味を含ませても使っている。

    なぜ私が、最適化という言葉に敏感になったか、一つの経験をお伝えしたい。あるセミナーでタグチメソッドに詳しい方と話をしていて、最適化は重要だという話になり、当然うなずいて会話をしていたわけであるが、途中からどうも話が噛み合わないことに気がついた。その当時の私が解釈していた最適化は“性能指標の最大化もしくは最小化”を意味していた。

    一方、タグチメソッドの二段階設計の最初の手順として示される最適化は、“性能が安定(ロバスト)であること”なのであった。こちらの意味を私は、ロバスト性という別の言葉で表現していたので、まさか、“最適化”が、ロバストの意味で使われているとは思いもよらなかったのである。

    (かつ、混乱に輪をかけたのは、私が意図していた“性能指標の最大化もしくは最小化”は、二段階設計の②段階目の、チューニングという手順なのであった。二つの日本語が相互に、別の意味で使われていた会話がいかに混乱していたか想像してみて欲しい。)

    “性能が安定であること”が、最も適していると考えるのはそれはそれとして納得できる定義なのである。一方、私の定義する最適化もまた、いいのだ。悪いことにたまたま同じ言葉を使って違う内容を表現していたということである。左様に、最適化という言葉は、人によって解釈によって異なるということが身に沁みたのであった。

    私は、最適という言葉を目にすると、「自分で選べる余地が十分にある解集合」と自動的に解釈する癖がついた。要は、 “適する条件”が変わったときに答えが用意されているのが最適ということなので。

    ちなみに、中国では、最適化ではなく“優化”という言葉を使うそうだ。最適化ほど意味が解釈依存ではなく、最大/最小ほど強くなく、程よく表現しているいい言葉だと思うのだが、残念なことに日本語に劣化をいう言葉があるのに、“優化”がないのは不思議。“優化設計のすすめ”をいう見出しでプロモーションをしたことがあったが、広めることができなかったのが心残り。


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                                 今日の1枚
    三寒四温の時期に降る雨は特に冷たく感じられる。雨にぬれた梅を撮るのは寒いが、撮影中の一時はそれを忘れて夢中になる。
    @日向薬師 - Nikon D70 -
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    花-1-2010.3.6:d70_04774_edited
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    tags : シミュレーション ロバスト性 D70 最適化 

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    ソフトウエアロボット - Software Robot

    2010.03.03

    category : 2.1 シミュレーションと最適化

    以下は、私がいた会社の創業者Dr. Siu Tongが、”Software Robot”というアイデアを思いついたときの経緯を書いたもの。この業界では有名な逸話だったが、最近は広められる機会も少なくなってしまった。なので、日本語訳付きでぜひ紹介しておきたい。新しい技術が生まれる時は、なんらかのドラマチックな出来事があるのだということを示す、実例でもある。産業革命を引き合いに出しているところは、いかに彼が新しい思いつきに興奮していたかが、想像できる。実際そのぐらいすごい技術だったのだ。彼が開発したEngineousというツールは、GEの多くの事業部で使われ、80年代-90年代前半GEの技術向上力とビジネス成長に大きく貢献した。
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    以下原文
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    I was at MIT late 70's. went to GE Aircraft Engines at Lynn, Massachusetts in 1979 for a summer job interview. I asked the GE manager what would I be doing if I came to work there. He said I would be taking one of their software for turbine disk analysis and try different shape, materials, and flow conditions, and then plot the results at the end of the summer so he could make a decision on the final design.
    I told him that seems very boring and asked could I write a program to automate the task. He said "it couldn't be done, otherwise, they won't be a few thousands of their engineer doing that kind of work everyday, not just a summer". I said ok and on the way back I recalled the lecture on Industrial revolution where people invented machine to automate tedious factory jobs and obtained significant productivity gain. Here in the 20th century where white collar workers are doing similar repetitive motion on the computer key board except no one can tell that walking by.
    I thought I will come to show them how to do it right. The next day, GE mailed out a rejection letter. Not having much rejection previous to that, my ego was hurt. At that time, I had finished my Ph.D research on an experimental project, past my qualify exam, and was about to start my thesis. I decided to quit that work and started a new thesis with a different department to prove that "it can't be done".
    4 years later, I showed sufficient promise of this approach GE Corporate R&D hired me. I spent 11 years and got $12M funding to development Engineous, the commercial version of my idea at MIT. The software that was said "it can't be done".
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    以下訳文
    -----------
    1970年代の後半、私はMITの学生であった。1979年の夏休みのインターンシップの面接を受けるために私はGEエクラフトエンジンへ出かけた。私はGEのマネージャーと面接し、もし採用されたらどんな仕事をすることになるだろうかと尋ねた。彼は「タービンディスクの解析をするソフトウェアを使い、異なる形状、材質、流量条件を試してもらおう。夏の終わりにその結果をプロットしておいてほしい。私がその中から最終デザインを決める」と言った。私にはその仕事はとても退屈に思えたので、プログラムを書いて、タスクの処理を自動化してはどうか、と提案してみた。彼は「そんなことできっこない。もしできるなら、ひと夏だけでなく、毎日そんな仕事をしているエンジニアが数千人もいるわけがないだろう」と言った。
    「分かりました」と私は答え、家路につくその道すがら、私は産業革命の授業のことを思い出していた。産業革命では退屈な工場の仕事を自動化する機械が発明され、生産性は劇的に改善した。20世紀の今日、ホワイトカラーの労働者たちはコンピュータのキーボードに向かって同じような繰り返しの仕事をしている。ただそれが目に見えないだけなのだ。私は自動化を実現する方法を彼らに示そうと思った。しかし、翌日、私はGEから不採用の通知を受け取った。それまで私は拒否された経験はほとんど持っていなかったので、私の自尊心は大いに傷ついた。当時私は(航空宇宙関連の)Ph.Dを取得するための研究を終えており、試験にも通っていて、後は論文を仕上げるだけだった。しかし、私は決心した。いまやっている研究はやめて、「できっこない」と言われたことができることを示すために別の学科で新しい博士論文を書くことを。
    4年後、私は十分な成果を上げ、GE中央研究所は私を雇い入れた。私はそこで11年過ごし、GEは私のプロジェクトのために1200万ドル投資してくれた。私のプロジェクトは「エンジニアス」と名づけられ、これこそがかつて「できっこない」と言われたソフトウェアなのだ。
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                                 今日の1枚
    草木が凍ると美しくなる。家のそばの道端や畑の何でもない枯れた葉、木の根、花、ゴミまでもが、霜が降りて凍ると、魅力ある被写体に変身する。冬の早朝の誰も知らない楽しみ。    @厚木近辺 - Nikon D70 - 
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    凍-3-2010.3.3:d70_04566_edited 

    tags : シミュレーション D70 つなぐ技術 

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    プロフィール

    シママロ

    Author:シママロ
    名前 K.K.
    生年 1959年早生まれ
    職業 製造業向けIT産業
    業務 技術マーケティング・営業支援
    専門 Simulation, 最適設計支援,「つなぐ技術」の啓蒙
    趣味 写真, カメラ, シマリス, 科学読物, 一部の絵画, JAZZ, iPhone
    興味 ITの持続的社会への貢献, 情報価値と抽出, 芸術美&自然美&機能美
    出身 青森県八戸市
    住所 神奈川県厚木市

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