KK's Room

    私の、仕事・趣味・興味・思考を記録しておく場所にしています。2010年2月27日から開設しました。初回だけ、「0:初めまして」シリーズをお読いただけるとありがたいです。

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    Software Robotでコンピュータ作業を自動化

    2010.03.09

    category : 2.1 シミュレーションと最適化

    3/3の記事で、Software Robotという概念に基づいて、GEにて革新的なツールが開発された逸話を紹介した。この技術で何が新たに実現されて、何が変わったのだろうか。

     

    実現されたことは、設計者の業務時間の大半を占めていたコンピュータ上での対話型作業の大半が自動化ということだ。たったそれだけのことで、実は、下記に示すように設計業務が根本的に変わることが分かる。

     

    1)作業時間の激減(1/5-1/20)と人為ミスゼロ
    2)思考と判断という業務へ集中できる
    3)人の経験や技術に依存しない
    4) より多くの設計方案を効率よく検討できる

     

    まず、1)は定量的な成果として、上司や経営層にもわかりやすい。時間激減効果は、このツールを使えばだれでもすぐに実証できる。人為ミスゼロの波及効果は広い。なぜなら、人間が行う作業には人為ミスが潜在的につきものであるから、ミスがないかをチェックする人や作業が発生する。自動化すれば、それらの作業は一切不要になる。

     

    最も重要なのは、2)だ。マニュアル作業で行っているときは、作業の方に忙殺され、別の案を考えるのは、作業の合間に行うといった方がいいだろう。ところが手順を自動化してしまえば、本来設計者が行うべき業務である思考と判断に集中した時間が確保できる。1)のように定量的には見えないが、確実に業務レベルが向上するもっとも重要な効果だ。

     

    3)は、作業手順を標準化できると言い換えた方が分かりやすいだろう。熟練者しかできなかった複雑な手順も標準化されてしまえば、経験の浅い人でも作業が可能になる。熟練者は、煩わしい作業から解放され、さらに高度な業務に従事できる。組織能力が向上するということである。

     

    4)の意味するところは、コンピュータ上でパラメータを変えて繰返しシミュレーションを行うことができるので、手作業で例えば2日で10ケースしか検討できなかたものが、同じ2日で数百~数千ケースの組み合わせのパラメータスタディを極めて効率的に行うことができる、ということである。これだけ増えるならば、量が変じて質の転換となる。このポイントは、別の大きなテーマになる。

     

    繰り返すが、作業を標準化し、手順を自動してコンピュータで行わせるというだけで、これだけの効果が出るのだ。このことは、もっと世の中に知られていいことだ。単純な原理こそが、世の中を大きく変える。Dr. Siu Tongは、Software Robotの概念を想起した時、産業革命を思い出しながらこれらのことを一瞬で見抜いたのであろう。GEは、1980年代にすでにその恩恵をたっぷり受けていた。

     

    しかし、日本はソフトウエアの産業革命ともいえる、この技術の恩恵を十分に受けているとはいえない。産業革命前のままである。往々にして、手順を自動化する効果というと、1)の定量的な直接効果だけに着目しがちだが、それだけでは本質を見ていないことになる。2)から4)までの効果も十分に理解してきっちりと抑える必要がある。

     

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                                 今日の1枚
    2010/3/9
    横浜にしばし出かける。いい被写体が至る所にあるので。でも気に入った写真は、たいてい偶然の出会いの時に撮れてしまう。実は、偶然をおびき寄せるために出かけるのだ、ということに気付いた。  -  Lumix FZ20 -
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    街-1-2010.3.9:P1070109_edited 

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    tags : シミュレーション 最適化 つなぐ技術 FZ20 

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    ソフトウエアロボット - Software Robot

    2010.03.03

    category : 2.1 シミュレーションと最適化

    以下は、私がいた会社の創業者Dr. Siu Tongが、”Software Robot”というアイデアを思いついたときの経緯を書いたもの。この業界では有名な逸話だったが、最近は広められる機会も少なくなってしまった。なので、日本語訳付きでぜひ紹介しておきたい。新しい技術が生まれる時は、なんらかのドラマチックな出来事があるのだということを示す、実例でもある。産業革命を引き合いに出しているところは、いかに彼が新しい思いつきに興奮していたかが、想像できる。実際そのぐらいすごい技術だったのだ。彼が開発したEngineousというツールは、GEの多くの事業部で使われ、80年代-90年代前半GEの技術向上力とビジネス成長に大きく貢献した。
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    以下原文
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    I was at MIT late 70's. went to GE Aircraft Engines at Lynn, Massachusetts in 1979 for a summer job interview. I asked the GE manager what would I be doing if I came to work there. He said I would be taking one of their software for turbine disk analysis and try different shape, materials, and flow conditions, and then plot the results at the end of the summer so he could make a decision on the final design.
    I told him that seems very boring and asked could I write a program to automate the task. He said "it couldn't be done, otherwise, they won't be a few thousands of their engineer doing that kind of work everyday, not just a summer". I said ok and on the way back I recalled the lecture on Industrial revolution where people invented machine to automate tedious factory jobs and obtained significant productivity gain. Here in the 20th century where white collar workers are doing similar repetitive motion on the computer key board except no one can tell that walking by.
    I thought I will come to show them how to do it right. The next day, GE mailed out a rejection letter. Not having much rejection previous to that, my ego was hurt. At that time, I had finished my Ph.D research on an experimental project, past my qualify exam, and was about to start my thesis. I decided to quit that work and started a new thesis with a different department to prove that "it can't be done".
    4 years later, I showed sufficient promise of this approach GE Corporate R&D hired me. I spent 11 years and got $12M funding to development Engineous, the commercial version of my idea at MIT. The software that was said "it can't be done".
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    以下訳文
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    1970年代の後半、私はMITの学生であった。1979年の夏休みのインターンシップの面接を受けるために私はGEエクラフトエンジンへ出かけた。私はGEのマネージャーと面接し、もし採用されたらどんな仕事をすることになるだろうかと尋ねた。彼は「タービンディスクの解析をするソフトウェアを使い、異なる形状、材質、流量条件を試してもらおう。夏の終わりにその結果をプロットしておいてほしい。私がその中から最終デザインを決める」と言った。私にはその仕事はとても退屈に思えたので、プログラムを書いて、タスクの処理を自動化してはどうか、と提案してみた。彼は「そんなことできっこない。もしできるなら、ひと夏だけでなく、毎日そんな仕事をしているエンジニアが数千人もいるわけがないだろう」と言った。
    「分かりました」と私は答え、家路につくその道すがら、私は産業革命の授業のことを思い出していた。産業革命では退屈な工場の仕事を自動化する機械が発明され、生産性は劇的に改善した。20世紀の今日、ホワイトカラーの労働者たちはコンピュータのキーボードに向かって同じような繰り返しの仕事をしている。ただそれが目に見えないだけなのだ。私は自動化を実現する方法を彼らに示そうと思った。しかし、翌日、私はGEから不採用の通知を受け取った。それまで私は拒否された経験はほとんど持っていなかったので、私の自尊心は大いに傷ついた。当時私は(航空宇宙関連の)Ph.Dを取得するための研究を終えており、試験にも通っていて、後は論文を仕上げるだけだった。しかし、私は決心した。いまやっている研究はやめて、「できっこない」と言われたことができることを示すために別の学科で新しい博士論文を書くことを。
    4年後、私は十分な成果を上げ、GE中央研究所は私を雇い入れた。私はそこで11年過ごし、GEは私のプロジェクトのために1200万ドル投資してくれた。私のプロジェクトは「エンジニアス」と名づけられ、これこそがかつて「できっこない」と言われたソフトウェアなのだ。
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                                 今日の1枚
    草木が凍ると美しくなる。家のそばの道端や畑の何でもない枯れた葉、木の根、花、ゴミまでもが、霜が降りて凍ると、魅力ある被写体に変身する。冬の早朝の誰も知らない楽しみ。    @厚木近辺 - Nikon D70 - 
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    凍-3-2010.3.3:d70_04566_edited 

    tags : シミュレーション D70 つなぐ技術 

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    私の仕事

    2010.03.03

    category : 2.1 シミュレーションと最適化

    改まってこういうタイトルで書こうとするとなかなか難しい。とはいえブログの中で書く話題は、私の仕事に関連していることが多いので、最初のテーマとして書いておかなくては。
     
    産業構造の中の位置づけでいうと、「IT産業→ソフトウエア販売業→製造業向け→設計開発・生産用途ソフトウエア販売」。主なお客様は、自動車・航空・宇宙・電機・精密・機械・化学・材料といった製造業のCAD/CAE/PDM製品を利用している部門、それと大学や研究機関。ちなみに3文字熟語は、CAD : Computer-Aided Design, CAE : Computer-Aided Engineering(いわゆるシミュレーションと同じ意味), PDM : Product Data Management。さらに、私が専門としている技術は、CAO : Computer-Aided Optimizationとか、PIDO : Process Integration & Design Optimizationとか、SLM : Simulation Lifecycle Managementなどと、呼ばれている分野になる。IT業界は略語が多すぎるのが、困りものだ。
    製造業界向けIT産業の世界では、製品設計において”ものを作らず、実験を行わず、試行錯誤せず”というのが共通の標語になっている。何を言っているのか思われるだろう。実は“(CADで)ものを作り、(シミュレーションで)実験を行い、(パラメータ設計で)多数の評価を行う“というように、ITを駆使することでバーチャルな世界で設計開発を行うということなのだ。実物ですべて設計することに比べ、格段に期間が短縮され、コストが減り、品質も高まるではないか、という世界である。
    バーチャル化が進んだとしても、まだ課題が残る。コンピュータで設計やシミュレーションをしている人たち(設計者、解析者、研究者)は、日夜繰返し計算をして、もっとよい設計をしたいというニーズを持っている。試行錯誤を減らして、効率よく結果が欲しいのだが、その作業手順は専門的でかつ複雑なので、時間と手間がかかることが多い。例えば、シミュレーション用のモデル作成、データ変更、計算機間のデータ転送、計算実行、結果評価、データベースへの保存というような一連の作業手順を想像してみてほしい。このような作業を人間の手を経ずに自動化して、効率よく仕事を行えるようにする技術は、この10年来日本でも幅広く活用され、大きな効果を上げてきた。根幹になっているSoftware Robotという概念を次のトピックとして紹介しよう。

    私は、「つなぐ技術」と称されるこの分野にそれなりの貢献してきたと自負している。普段は3文字熟語やいろいろな専門用語でいっぱいの世界だけれども、やっていることは実は常識で理解できることがほとんどである。技術の中身を知らなくても、何をやっていて、何が問題で、どんな効果が出るかは、普通の言葉で十分に説明できる。まだまだこの分野と技術は十分に認知されているとは言えず、もっと活用されている世界があるはずである。これまでお客様に説明したり、仲間と議論したり、学会で話をしたり、自分の頭の中で考えていただけだったりしてきたいろいろ話題を、このブログに記していこう。

     

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                                 今日の1枚
    冬晴れの早朝、湖面に波はない。凍てついた桟橋が早朝の静けさを引き立たせる。 

    @箱根芦ノ湖畔 - Nikon D100
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    凍-2-2010.3.3:d100-12945_edited 

    tags : シミュレーション D100 つなぐ技術 

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    プロフィール

    シママロ

    Author:シママロ
    名前 K.K.
    生年 1959年早生まれ
    職業 製造業向けIT産業
    業務 技術マーケティング・営業支援
    専門 Simulation, 最適設計支援,「つなぐ技術」の啓蒙
    趣味 写真, カメラ, シマリス, 科学読物, 一部の絵画, JAZZ, iPhone
    興味 ITの持続的社会への貢献, 情報価値と抽出, 芸術美&自然美&機能美
    出身 青森県八戸市
    住所 神奈川県厚木市

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